実行予算とは作成してからが本当のスタート!
実行予算とは作成してからが本当のスタート!
工事の実行予算とは、工事を完成させるために必要なコストを積み上げた予定の金額です。
また実行予算を作成する際には、会社が必要とする経費や利益も考えて作成する必要があります。
そして工事が開始された後にその実行予算をきちんと管理できるものでなければなりません。
実行予算とは作成して終わりではなく、これから始まる工事の中できちんと管理できる事が重要なのです。
工事における実行予算の目的とその効果
工事における実行予算の目的は、工事に必要なコストを事前に把握することは会社の経営情報として活かされ、また工事担当者のコスト意識の向上を図り、工事開始後の実行予算管理につなげることで社内全体の経営力強化につなげる効果があります。
工事における実行予算の作成手順
実行予算の作成手順は、受注環境や施工体制、経営方針などにより会社毎に異なります。
そのいくつかの例を挙げ、それぞれの組み合わせで実行予算を作成する手順として考えてみましょう。
- 発注者
公共工事と民間工事 - 受注環境
元請け工事と下請け工事 - 施工体制
直営施工と外注施工 - 直接工事費の実行予算作成方法
工種毎に作成、工程毎に作成、工程の全日数に対して作成 - 工種または作業毎の実行予算作成方法
積算を主体とする標準歩掛ベース、自社の施工段取りを主体とする自社歩掛ベース、
外注契約単価、その他資機材の使用計画など - 間接工事費の実行予算作成方法
自社が設定する項目で作成、純工事費程度で作成、積算基準の項目で作成、
直接工事費以外は管理しないなど
このようにそれぞれの条件により実行予算の作成方法は異なりますが、その目的と最適な作成方法を定める必要があります。
また社内で実行予算の作成方法を定める際に気を付けるべき点として、工事担当者のやり方に依存し、それぞれが違うやり方で行うことはよくありません。
社内で統一した管理方法を定めることで情報共有と経営判断が迅速に行われます。
また同時にデータの蓄積が行え、会社の武器としてそのデータを次に活かすことができるのです。
工事における実行予算の作成方法
多くの建設会社で利用されているのはエクセルです。自社の考えを反映してオリジナルの管理が行えることが最大の利点です。
しかしその反面、データ量が増えると動きが重くなる事や、計算式の漏れなどお金の管理において致命的な問題も生じるケースがあります。
またデータの分析も不向きなため、最近では市販のシステムを利用する会社が増えてきております。
市販のシステムを導入する際に気を付けるべき点は、
- 実行予算を作成するだけなのか?
- 工事開始後も実行予算をきちんと管理したいのか?
- 支払いベースの集計がしたいのか?
- 本当に現場で使えるのか?
目的に応じて導入するシステムを判断することが大切です。
正確な実行予算管理を行いコスト管理の改善につなげよう!
実行予算を管理できることは現場技術者にとって施工管理技術の一つです。
益々高度な技術が要求される建設業界において、その工事担当者のコスト管理技術の向上は今後の会社経営の生命線です。
日常の業務を通じ、そのコスト管理技術の向上が行える仕組みを整えることが必要です。
そのポイントとして最も必要なものが、作業の進捗である出来高です。
正確な実行予算を管理する為には原価だけではなく、作業の進捗である出来高を管理できることがもっとも重要です。